前回、シャルドネのスパークリングワインの紹介をしましたが、今回は造り方について紹介していきます。
スパークリングワイン用のブドウは、酸味が高く、糖分が適度なものが選ばれます。代表的な品種にはシャルドネやピノ・ノワールがありますが、当ワイナリーでは現在マスカットベーリーAのスパークリングワインも販売中です♪
もともとアルコール発酵とは、ブドウジュースの中で酵母が糖分に働きかけてアルコールと炭酸ガスに変化させることを言います。
ただし最初の発酵でスパークリングワインとして成立する程のアルコールと炭酸ガスが生成されるまで糖分を消費して発酵を進めてしまうと、 糖が大部分失われてしまいワインとしての果実の味わいが不足してしまいます。
そのため、最初の発酵は「ワインとしておいしく飲める」段階で一旦止めておき、 そのワインに「糖と酵母」を追加投入することで2回目の発酵を促し、 最終的にバランスの取れた味わいのスパークリングワインを完成させる、という流れになっています。
スパークリングワインの造り方にはいくつかありますが、小林生駒高原葡萄酒工房のスパークリングワインは全て、トラディショナル方式で造っています。
まず、通常の醸造の過程を経たワインに糖分と酵母を加えてボトルに詰め、キャップをして二次発酵を行います。この段階で炭酸ガスが発生し、ワインに泡が生まれます。これを1年かけて行うことでワインを緩やかに二次発酵させ普通のワインにはない、炭酸を含んだワインができます。
二次発酵後は滓が瓶内に溜まってしまい濁っているため再び透明性を取り戻す必要があります。滓引き(デゴルジュマン)するために、滓を瓶の口に集める作業をする必要があります。瓶口に集めるには、熟成時に横に寝かされていたボトルを少しずつ瓶口を下にして倒立させなければなりません。
この作業を動瓶(ルミュアージュ)と呼びボトルを少しずつ左右に回しながら立てていき、澱を瓶口の栓の近くに集めます。以前は手作業で行われていましたが、現在はほとんどの機械化されています。当ワイナリーでは本数が少ない事もあり手作業で行っています。
下の画像が動瓶するためのピュピトルという木製のボトルラックです。手作りで、下に行くほど角度が付いて口の方に集中的に集めるようになっています。
こんな大変な作業を経ておりますが、まだまだ終わりではありません。
また続きは次回に...。