タンクの中のワインは、醸造者が納得いく段階になるまで発酵させます。
納得いく段階を決めるのに分析を行います。分析についてはよく理解していないのですが、・果汁の比重・アルコール分・エキス分・総酸・pH・亜硫酸・果汁の資化性窒素・(吸光度、濁度)・(還元糖、揮発酸、リンゴ酸)などを分析するそう。
分析を繰り返しながら、思い描いた味わいになった時点で発酵を停止させます。
発酵が終わるとタンク下部に滓(おり)が沈みます。滓はワインに雑味や不快臭を与えるので取り除きます。
滓引き(仏語:Soutirageスーティラージュ 英語:Rackingラッキング)は、ワインを清澄化し、品質を高める重要な工程の一つです。このプロセスは主に発酵後に行われ、ワインの中の不純物や沈殿物を除去することを目的としています。
滓引きの基本的なプロセス
- 発酵後の沈殿:
- 発酵が終了した後、死んだ酵母細胞、果皮の破片、種子などの固形物がワインの底に沈殿します。これらの沈殿物を「滓(リー)」と呼びます。
- ワインの澱とは浮遊物や沈殿物のことで、タンニンやアントシアニン、タンパク質などが結晶化して生まれます。
・タンニン:ポリフェノールの一種でワインの渋味成分
・アントシアニン:ポリフェノールの一種でワインの色素成分
- 滓の分離:
- 滓引きは、この沈殿物をワインから分離するプロセスです。これは、ワインを別の容器に移す(ラッキング)ことで行われます。
- 重力とポンプの使用:
- 滓引きには重力を利用する方法とポンプを使う方法があります。重力を用いた方法はより穏やかですが、時間がかかります。ポンプを使用する方法は効率的ですが、ワインに酸化や他の変化を引き起こすリスクがあります。小林ワインは重力を利用して滓を沈殿させ、上澄み液を別の容器に移し替えています。
- 滓引きは、必要に応じて数回繰り返されることがあります。ワインが十分に清澄化されるまでこのプロセスが行われます。
滓はもともとワインに含まれている成分が変化したものなので飲んでも問題はありませんが、舌触りが悪くなります。一般的には、製造過程で澱を取り除くことがほとんどです。