ワインの醸造①~④までは、白ワインの圧搾までお話ししましたが、⑤からは当ワイナリーの赤ワイン醸造についてアップしていきたいと思います。
主発酵(かもし発酵)
収穫と除梗破砕までは白ワインと同じです。白ワインはすぐに圧搾したのに対して、赤ワインはまず除梗し破砕した果汁、果肉、果皮、種子などすべて混ざった『果醪(かもろみ)』と酵母を一緒にステンレスタンクに入れ発酵させます。白ワインで説明したように、酵母の働きで果醪内の糖分が分解され、アルコールと二酸化炭素(炭酸ガス)を発生します。発酵温度は白ワインとは異なり高めで、26度から30度程度です。
上部は開放されているので二酸化炭素は揮発されます。アルコール発酵中は、熱が上がりやすいので、温度管理が行われています。
発酵が始まり3、4日すると、果皮から赤い色素、種子から渋み成分のタンニンが出てきます。これを「醸し(かもし)・マセラシオン」と言います。醸しの長さで熟成タイプ・早飲みタイプなどに造り分けられます。
醸し中は発酵でできる二酸化炭素の影響で、果皮・果肉などは果醪(かもろみ)の上部に浮かび上がり上部に溜まるので(果帽といいます)、糖分、酵母、温度の平均化などのため再度沈殿するように、人力でかき混ぜる櫂入れ(パンチングダウン)を朝夕毎日行います。
そうすることで、黒ブドウの果皮から「アントシアニン」が、種子からは「タンニン」がより抽出され、赤ワインとしての大切な要素が形成されていきます。